『遠くを見る癖』の初演のあと、それまで面識のなかった北見敏之さんに「面白かった」と声をかけていただき高揚したことを覚えています。今回「上演したい」と北見さんからご連絡いただいたときは、もしかしたら私よりこの作品を気に入ってくださっているのではないかと驚き、28年も気に入り続けてくださっている方がいることに「嬉しさ」を通り越して呆然といたしました。2019年版としてまた書き改めましたが、初演の台本より優れているかどうかはわかりません。それでも今書けるものを書き、28年を経ても見つかっていない物語の結末を、北見さんと共に考えていく時間を持てることを、幸せに思っています。かもねぎショットでは、初演も再演も「おばさん」が演じました。今回は若い二人がどんな道のりを歩んでくれるのか、作品が私の知らない世界に羽ばたいてくれることを期待しています。　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かもねぎショット代表　高見亮子

 

 

東京女子大学卒業。大学入学と同時に早稲田小劇場（後にＳＣＯTと改称）に入団。鈴木忠志演出『トロイアの女』などに出演。退団後、1989年にかもねぎショットに加わり、同集団の全演劇作品の台本を担当。1992年発表の『－新編－遠くを見る癖』が日本劇作家協会主催の第１回新人戯曲賞最終ノミネート（「優秀新人戯曲集1996」（ブロンズ社）収録）。以降、年に１～２本のペースで書き下ろし新作を上演。

他に、故黒沢美香主催「偶然の果実」シリーズと『薔薇の人』（2006年）に出演など。

 

2019年は７月に合同公演を予定。詳細はhttp://kamonegi-shot.net/　をご覧ください。